モチベーションと洗脳ー企業と宗教


【二つの分かれる考え方】

私でも一応は大学でゼミで専門としていた分野は企業の戦略的経営であり、そこでどうしても切り離せないのが経営管理であり、簡単にいえば従業員をどう扱うかということです。(結局、当時はあまり興味なかったことですけど)

もう常識的に言われているのがマクレガーのX理論とY理論がその典型例であり、簡単に言えば人間は

人間はほっとくと怠けるから厳しくしなければならない

という考えと、

人間が怠けるのには原因があるからでその原因を解決してやる気をださせればいい

という考えに分かれるという考え方です。


【欠乏を動機にする考え】

これって昔からある考えであり、前者って主流派の経済学の典型的な考え方であり、そもそもそういう考えに至るのはマルサスやカール・メンガーのごとく、欠乏動機をテコにして怠惰に罰を与えることで尻をたたき、

飢えをしのぎたければブラックな労働環境であれ働け

こういう考えが前提にあるわけです。


【ビルトインスタビライザーは不名誉】

こうなると、当然飢えをしのぐ共同体は敵であり、現在でいうビルトインスタビライザーも敵となり、実際マルサスは英国の救貧法に異常なまでに反対していました。これこそ、サッチャリズムの真髄といえます。悔しかったらがんばりなさいって感じです。

マルサスの思想は、もともと穀物の量は限られているから弱者救済するとその分富者から富を奪うことになり、貧困のトレードオフの思考からそうなったと思われます。

弱者救済するとその分、人口が増加してより他人を頼るように成り、食糧価格が高騰して結局弱者救済とならずじまいになる。

だから、他人に頼る貧困は不名誉と考えるべき。

そう主張していたのです。


【主流派経済学と貧困の必要性】

元々、保守・リベラルともに緊縮派のトレードオフ思考は、アダム・スミスの「社会の収入・資材全てを増加させると貧困を改善する傾向にある」という考えとは逆に

穀物の量は限られているのだからやはり貧困の不幸と悪徳により人口増加を調整する必要がある

この限られた富という帰納的な考えが前提にあるのです。

カール・メンガーは飢えをしのぐために労働者は労働すると考え、マルサスは食糧不足の飢えによって未婚の増加・戦争や疫病によって人口が調整される。

どちらも、貧困がなくなれば都合が悪く必要ととらえてえていたのです。


人口論 (中公文庫 (マ5-2)) (日本語) 文庫 – 2019/7/23 マルサス (著), 永井 義雄 (翻訳)


【コピベしまくり】

大体、私は自分と大きく異なる考え方の人間の本とかたまに読むのですが、最近の論客の本って正直結局時間とカネの無駄で、その連中の考えを支配している元となる古典を読んだほうが、自分らと違うタイプの連中(特に緊縮派)の本質に触れる、「こういう考えを持っているのか」となり、盲点となることを知る一番の近道になると思っています。

今のグローバリストの「消費者利益!」とかのレトリックの多くがハイエクの書物の中にあるように、政治家にしてもジャーナリストにしても、ケインズのいうように過去の思想の支配下にあり、

国民一人あたりの国の借金が~!
消費税35%という考えもあります!

とか、ほとんどの知識人はかつて100年以上前に誰かが言っていたことを、オウムのごとくコピーして発言しているだけです。

改訂新版】池上彰のお金の学校 (朝日新書) (日本語) 新書 – 2019/10/11 池上 彰 (著)


【マルサスとスミスの質素倹約の推進】

大体、マルサスの時代ってモノ不足の供給能力不足のインフレギャップの状態であり、とにかく酒屋とか行って消費することが悪と考えられており、倹約により貯蓄をしてそのカネを他人に貸して事業を起こさせて、それが国家にとってのプラスになると主張しており、アダム・スミスですら、

諸個人は倹約により富を、浪費によって貧困を育てる

と言いきっているのです。


【不確実性の前で現状維持だと貧困化するだけ】

さすがにデフレで個人消費が減退している日本で、これを主張する政治家や経済評論家は今はいないわけですけど(たぶん)、しかしながら彼らの根底にある考えは、マルサスやメンガーたち特有の考え方、

未来という不確実性の前では人間は無力であり、そこに実現できるかどうかわからない生産性向上なんてものをアテにすることなどできない

これを前提としているのです。

そうなると今の状況を将来に対して適用し、それで日本はもうダメだとかわけのわからないことを述べるしかなくなります。

大坂と江戸を数時間で移動できるわけない!それが可能なら馬の脚に進化の徴候が見られるはず!そんな徴候は確認できない!これは経験の問題だ!

となるわけです。

今ではバカげていますが最速の移動手段が馬の時代ではすんなり納得してしまうでしょう。短時間で移動するには馬の脚力が進化して向上して、時速100kmぐらい走れるようになる必要があるとかなるわけです。

自動車の開発や高速道路という概念や、鉄道の飛躍的な進歩とか、いつのことになるか実現できるかどうかわからないので、なしとしておくのです。


【主流派の経済学の質素倹約令に従って消費税10%となった日本】

政府が

深刻な少子化!
深刻な財政問題!

とかウソやデマを流すと、当然日本はマルサスやスミスの考えに忠実に従い、倹約の精神に従い消費(C)をしなくなり、そうなると企業が売り上げを見込めないので投資(I)をしなくなり、日本とは異なり経済成長して豊かになった外国人観光客目当てのインバウンド頼りとなり、ずっと名目GDPの平らな状態に成る、つまり「平成」の悪夢の再現となるわけです。

もう確信的な策略と思っていいくらいこれは悪質な考えです。


【何でも商品化する社会】

さて話を戻しますが、最近ISO9001とか品質の規格とかあり、アメリカの成果主義の影響か、人事考課制度ってだいたいの企業で導入されているわけですけど、このシステムって昇給させる原資を少なくして、その限られた原資を奪い合うシステムであり、同じ従業員にパイの奪い合いをさせるためにあるのです。

一言でいえば会社が従業員の給料を上げたくないから、その少ない原資を奪い合えという考えに基づいてるのです。マルサスと同じく売り上げ向上が見込めないからこうなるのです。

会社の利益を上げる一番簡単な方法は労働賃金引下げであり、自治体への兵糧攻めにより福祉かインフラ整備か公務員給与かとなっているのと同じです。


【マズローの階層別欲求】

もともと近代化は分化であり、労働力を商品化して切り売りするものですから、雇用契約にもとづき嫌ならやめればいいとなります。

これでも多少不満をもちながらも辞めない従業員もいるわけで、そこで登場するのがモチベーションシステムに悪用されているマズローの5段階欲求の最上の欲求の「自己実現欲求」なわけです。


【わくわくの洗脳】

この手法は、

行為と感情のプロセスを逆にすること

情熱を注げることだから休憩することを忘れて没頭するという状態のプロセスを逆転させて、ブラックな労働を強いるのです。

自分はワクワクして情熱を注いでいるから、長時間・休みなしの労働をしていてもへっちゃらだ!

と勘違いさせて、教育というよりも洗脳するわけです。

 修行するぞ!修行するぞ!

見たいに。(口にしているうちにだんだんその気になってきます。しかし無意識では抑圧された感情が蓄積され、病気やイジメや犯罪などの温床となりますけど。)

注意:以下の動画は刺激が強いためにまじめな人や正義感の強い人は動画再生しないことをオススメします)


【休まない!愚痴らない!考えない!いつも感謝!】

テイラーの科学的管理法に洗脳教育を加えたようなもので、アニメ 『Wake Up, Girls!』のプロデューサーの台詞、

” 休まない!愚痴らない!考えない!いつも感謝! ”

を練習生に毎日連呼させるようなことを従業員にさせるわけです。

先に、口にすることで感情は後からついてくるというプロセスを、練習生に対して尾崎世代のような反抗心のない耐性ゼロの若者に、洗脳としてプログラムしているのです。

Wake Up, Girls! 七人のアイドル


【宗教になられ】

企業の多くが完全に宗教となってしまっているケースが多いわけですが、宗教って自分の頭で考えることは基本的にゆるされず、経典・聖書など権威のある団体の解釈にもとづくき、個性的発言は異端とみなされます。

教祖様に逆らってはいけないということで、社長に逆らうのと同じく普通は迫害を受けます。

ユニクロ潜入一年 (日本語) 単行本 – 2017/10/27 横田 増生 (著)


【やる気がでない労働者】

だんだん、今ではモチベーションシステムが洗脳とかわってしまっているのですけど、経営者の多くがもし宗教団体のごとく社員を信者にし、それで低賃金過重労働を修行とみなせるのなら、どれだけやりやすいことでしょう。

料理のための包丁が人殺しにも使えるように、なんでも悪用することが可能なのですがこれだと、自発的な行動なしでは結局組織の中が次第に腐りきり、いずれ崩壊することになると思えます。経営者側からすると、

自発的な行動に社員が出ないんだ!

となるわけですが、それこそほとんどの労働者が自己実現の欲求満たすわけにしてるわけじゃないからなかなか難しいわけです。

ただ、ドラッガーのマネイジメントなんてできている従業員はすでにできているし、出来ていない従業員に教えてできるようなものでなく、批判浴びるでしょうがこんなのクソの役にも立たないと私は思っています。

もしかしたら、野村克也元阪神タイガースの監督の教えの一部が参考になるかもしれません。次回それを紹介したいと思います。たぶん。

マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則 (日本語) 単行本 – 2001/12/14


無理から飢えをしのぐために労働させることや、洗脳によりブラック労働させる意外にいくらでも方法があるだろうと思われる方は ↓のリンクをクリックお願いします。


政治ランキング;

↑クリック


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA