保守とは何だろうか・後編ー時間の共有という内と外の壁


(前回からつづく)

【弱者叩きまでする貧困化した日本人】

大体、国庫の恩恵を受けている人々は社会的弱者であり、弱者叩きなんて単なるイジメ・DV(domestic国内 vaiolence虐待)でしかなく、正気かと問いたいところです。

もちろんそこには30年間実質賃金の上昇が低迷している貧困化している日本国民のゆとりのなさが大きな要因でもあるのですが、それ以外にサッチャリズムを輸入して形成されたヘゲモニーの再編成も多きな要因と言えます。


【歪んだ結合】

サッチャーはイギリスの保守・トーリー主義のテーマの、Nationやら家族やらに以下のものを付与しました。

義務・権威・伝統主義

なのですがこれらをやたらと強調し、これに新自由主義の挑戦的なテーマの

個人的利益・競争的個人主義

との融合を成功させたのです。


【バラバラの個人と自己責任】

もちろん、日本の緊縮派のグローバリストは新自由主義のテーマの反国家主義を絶対に口には出しません。

適菜収さんのブログで昔の石原慎太郎と橋下徹は似ていると言及していたのですが、まさにこれは正鵠を射た発言であり、2.26事件を起こした陸軍青年将校の中にも東北出身が多くおり、藩閥政治色の強い当時の国家を否定するが故にクーデターを起こし、これまでの国家を

リセット

したい願望が強くあったと思われます。ー適菜収ブログー反日アナーキストの石原慎太郎について

 

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【生まれた境遇を呪い反国家主義となる】

恐らく、マーガレット・サッチャーも同様であり、彼女は食料雑貨の個人商店の庶民の出であり、イギリスはバークの世襲の原理が当然強く、しかも彼女はかなり大学時代は見栄っ張りであり、古今東西生まれによってその人の人生は大きく左右します。

普通に考えて世襲でなければ小泉進次郎なんて大臣どころかエリート枠に入れる知性もなく、イケメンだからホストあたりになれていたかもしれませんが、政治家には絶対になれるわけないのです。

サッチャーは保守の源流といわれたバークの「世襲の原理」を異常なまでに恐らく嫌い、つまりは現存の国家を形成しているエリート層を否定しており、国家を破壊したい願望で溢れており、それを可能とするのが弱肉強食の新自由主義であると思えます。

その結果のリセットなので、改革、改革を連呼するのも当然で、根本は連続性のある国家の否定なのです。


【義務を強調して自己責任】

サッチャーは新自由主義の個人的利益や競争的個人主義を強調して、義務を強調することにより例えば、生活保護受給者は義務をはたしていない、障害者は生産性がなく義務を果たせないとか、LGBTは生産性がなく義務を果たしていない、シングルマザーは勝手に子供つくって離婚したんだから公助なんてあてにせず育てろとかみたいな、自己責任の風潮をつくってきたのです。

そこにお上の権威により抑圧的に国民を押さえつけ、個人的利益を追求する競争的個人主義は市場原理主義は強靭な人材を育成し国家を強靭かするとか、そういう妄想を抱かせようとした意図が垣間見れます。

台風19号の被害を受けて死んだ人や浸水した人も、災害の保険に加入していなかったから自己責任。はい終了。

この風潮は新自由主義・グローバリズムにあります。

” いや、被災地に中央政府が予算つけて救ればいい ”

と公助の言葉を口にすると、

クニノシャッキンガ~

とカルト宗教の呪文を連呼するわけです。


【共同体は飢えから守る】

サッチャーが

社会など存在しない。あるのは個人と家族だけ

と発言したのも、共同体やらコミュニティは主流派の経済学者のカール・メンガーの、「飢え」から逃れるための強制的労働が生産性を高め、共同体があれば民どおしつまりは国民同士助け合い、飢えから逃れてしまうわけで、そうなると

誰も働かなくなり

国家が弱体化すると思いこんでいるからなのです。

この歪んだ思考は、ある程度自殺者やら変死者やら国民の中から生贄をささげなければならず、そうなりたくなければ、” 悔しかったらがんばりなさい ”と尻を叩き、つまりは単に恐怖により民を煽動しているだけです。


【真の独立国家の3つの行動原理】

そこでカール・ポラニーの共同体の3つの共同原理になるわけですけど、これって主権国家としては必至であり、

互酬 ⇒太平要側が被害を受ければ日本海側が助ける
再分配 ⇒中央から地方への交付金などの分配
家政 ⇒自給自足。自国で農業・工業・文化の育成・日本語での高等教育。

これらの一つでも欠ければ、独立国家として成り立たないただのセクシーな外敵オモテナシの集合体となるのです。


【家政って内と外の壁】

ここで保守としては「家政」が非常に重要になり、この「家政」って

自ら使用するための生産の請い、閉ざされた手段

であり、マーガレット・サッチャー(ハイエク)らの新自由主義が隠蔽している反国家主義とはまったく逆の考えなのです。

これって、右の保守派が優先する

内と外

の関係に他ならす、しかしながら左のリベラル派の大好きな相互扶助とも密接な関係にあるのです。

多文化共生・移民受け入れ反対はただのレイシストというリベラル派は認めたくないだろうけど、彼らの大好きな社会主義者のカール・ポラニーがこれ(閉ざされた集団)いっちゃってるのです。

当たり前ですけど、家って閉ざされているのです。


【右の売国と左の愛国】

愛国者気取りのサッチャーがグローバル反国家主義者で、晩年ソ連の存在を肯定していた社会主義者で愛国を掲げないカール・ポラニーが結局愛国の国民主義者。

思想面ではこういう皮肉的な結果となるわけです。


【時間の共有という壁】

そして、家政の内と外の区分けを可能とするのが、

人・モノ・カネ・サービスの自由な移動の規制つまりは

なのですが、それを可能とさせるのが時間軸からくるアイデンティティであり、国民意識なのです。

アイデンティティは自己同一性であり、家族でも子供が高熱で診療所までおじいちゃんが抱えて運んでくれたとか、家族で旅行に出かけたとか、子供の受験の失敗やら、家業がうまくいかなく店閉めたとかのエピソード、家族の時間を共有しており、これは国家でも同じでこれが歴史であり、敗戦やら経済復興やら、日本航空墜落事故、プラザ合意やら、バルブ崩壊、阪神淡路大震災やら、小泉竹中の規制緩和の過ちやら、いろいろなエピソード・歴史を国民が共有しているのです。(最後のはセクシーな民族だけに学んでいません)

それが共有認識体を形成し、日本語を通じて日本人としてのコモンセンスつまりは常識として定着し、これが何よりも内と外との壁を築いているわけです。日本語による共通認識、聖徳太子とかの歴史が外との壁となっているわけです。


【移民受け入れOKリベラルはこれやってほしい】

リベラル派はこれにアレルギー反応を起こし、なら自分の家にどこのだれぞやわからない人間を中に入れて、ともに寝食できるかとなるとリベラル派のほぼ全員がそれは拒否することでしょう。

同じ時間を共有できていない人間って、やはり家族とは思えないわけで、どこの誰かわからないおっさんを家に招いて、嫁や娘が乱暴されたり下手すると命まで奪われる可能性があります。

なぜなら、そのおっさんと同じ時間を共有できていないからであり、それは国家も同じで学校で歴史を学んだり年配者から昔話を聴いたりして、国民としての時間の共有が定着しているからで、身内とはうまくいったもので、内と外の関係を意味しているのです。


【国民意識を破壊するグローバリズム】

だから家族に何かあれば大抵は助けるし、国家という家の同じメンバーの国民に何かあれば国家が助けるのは当たり前であり、災害の時は土木建築の業者が地元の民を無償で救うのも、同じ時間を共有した国民だからなのです。

これを破壊したのが宗主国アメリカが注入してきたグローバリズムであり、身内(国民)に対しても市場の何でもカネカネカネと取引する関係により、国民意識は分断されたのです。


【貧困化して増加する無関心層とネトウヨの増加】

このグローバリズムのアイテムの一つの「緊縮財政」が国民の紐帯を断絶させているのですが、今回の台風19号でまだこれを日本人が理解しようとしない理由は、当然国民意識の欠如に他ならないのですが、グローバリズムによる国民の共有する時間・歴史を喪失した結果に他ならないのです。

貧困してどんどん増加していく庶民はサイレントマジョリティとなり政治から離れ、一方では抽象化したサッチャリズムに象徴する似非愛国心をもった連中が異常なまでに政治にかかわり、それが経団連やらアメリカに好都合であり、グローバル政党の維新や自公にも好都合であり、その結果の今の嘆かわしい日本の惨状となり、今回の台風の被害として顕著に現れたのです。


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私は中野信者じゃないので、実はこの本読んでませんw
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