若い年代の人へ財政破綻論の嘘を説明してみた・中編ー若者と中高年との世代間の利害の差


(前回からつづく)

【いく人かの若い男性に財政破綻論の嘘を説明】

今の20代の若い子に対して財政破綻論の嘘を説明をするのは比較的に楽です。これはまだ男性に限ることかもしれませんが、大体はデーターに基づいた資料を単に事実を述べるだけでよいからです。

ふわっと抽象的なことを述べる必要がないんです。


【ある特定のことを強調する人に用心】

逆にある特定のことを強調したデーターに基づいて説明し、更にそこに同胞への敵意などの負の感情が煽り支持を受ける手法もありますが。

生活保護受給者がパチンコばかりしているとか、農協職員が怠け者だとかある特殊な例を上げるのも同じです。

TPP反対か鎖国かの二択という極端な考えも同じですね。
この2つには大きな隔たりがあり、その間にはヴレトンウッズ体制もあるでしょうに。


【20代は下手すりゃあと70年先も生きている現実】

それでも嘘をつきつづけることは大変苦しく難しいわけですが、比較的若い世代には財政破綻論の呪縛から解放するのは容易だと思います。

その主な理由は、

①若い世代は経験が浅いために固定観念に凝り固まっていないし、
②まだ十分な金融資産を形成していない故に目減りするインフレ恐怖症はなく、むしろあと50年どころか70年生きていかなくてはならず、つまり
逃げ切れない世代

であるところが大きいからだと思います。

今のシステムを継続させていくメリットが今の若い世代にはないのです。むしろ負担にしかなりません。


【インフレ恐怖症でデフレを好む中高年】

過去ログで紹介しましたが私と同世代または高齢者の中で、デフレだと金貯めればよくむしろインフレで自分の金融資産の目減りを恐れている人が非常に多い現象です。

2世帯に1世帯が貯蓄ゼロということは残りは貯蓄があるわけで、その中で500万円でも1千万円でもましてや2千万円になると、” 自分らだけは逃げ切れる ”と特に人数の多い団塊世代だと思うと予想されます。


【富や貧困は相続される事実】

資産や年金収入が十分ある人にも子供や孫がいれば、それを遺産として受け継げればいい。

別に金融資産だけでなく教育や人間関係とかのコネを遺産ですし、国会議員などの世襲や医者や官僚なども世襲として、それらは相続されていくのです。

まず自分の周囲の安全の確保に全力を注ぐことでしょう。

親の収入はそのまま子供に相続される傾向にあるというグレートキャッビーカーブが参考になります。


【消費増税を受け入れ税制破綻論を受け入れない理由(わけ)】

デフレに憤怒している中高年って、実業家以外あまりいないですよね。

こうなると、

今だけカネだけ自分だけ

となるわけで、

国の借金問題で無駄な公共事業をやらず歳出削減に消費増税で社会保障費維持

という言葉はもう団塊世代以上となるとウィンウィンの関係でしかなく、

後の世代に負の遺産を残さない

という美辞麗句がそれを正当化させることになります。

そこで財政破綻論を否定するMMTなんて最初からうけるわけないのだと私は思っています。

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【引退した世代が労働力を提供して十分な所得を得られない現実】

団塊世代以上で金融資産を形成し年金も十分もらえ、残りの人生を豊かで逃げ切れる状況であるとすると身勝手に思えるのですが、しかし考え方変えるともはや労働力を提供して収入を得る事は出来ない状況でもあるわけです。

高齢者はインフレへの恐怖も経験則としてあるし、ランダム・レイの指摘するように日本のセーフティーネットが不十分すぎるから、貯蓄にいそしみデフレを好むともいえます。自己責任論がそれをいっそう強くさせるのです。


【利害から財政破綻論を信じる】

税制破綻論を否定するこの反緊縮という考え方は

インフレで金融財産目減りししかも下手うつって財政破綻となると年金も社会保障費もなくなる

というものでしょう。

もはや国家は国民を守る気がないとなるとこういう心理が働く可能性が高く、そうなると普通に考えて複式簿記を無視した従来の考え方、つまり

企業や家計の負債と政府の負債である国債も同じ負債にしてしまえ

と思考停止になると思われます。

インフレを体験した年代の高齢者が労働力を提供できなくなった現実が、今の安泰した状況を享受できているのならそのプロパガンダーを否定するわけないし、今の金融財産を維持しつづければ逃げ切れると思い、これは中年の現役世代も同様なのではないでしょうか。

今の安泰を捨ててまで新しいものい賭けようと思わないでしょう。
本来の保守的な思想にのっとるのなら、バークを例に上げてフランス革命のことを述べたりして、変にインテリであるなら尚更もうテコでも動きません。

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【支出が先という事実】

さてまた前置きが長くなってしまったわけですが、若い世代に財政破綻論の嘘を説明するにあたって前回のブログで紹介した

①三面等化の原則の支出面
②政府収支+民間収支+海外収支=0

に加えて大事なことはスペンディング・ファーストつまりは、

支出により貨幣が生まれる

という現実です。

三橋さんの政府小切手の図やアダムスⅡの図の説明は、相当貨幣について理解した段階でないと混乱するわけで、ここは比較的に単純な話で説明するのがいいと思います。

王族なり権力者がこれ使って経済活動しなさいと命令しておカネを配る。

最初にこれを(おカネを配る支出)しなければ当たり前ですがおカネの回収つまりは徴税など不可能なわけで、おカネがないのにそこから税金とれるわけないというこれまた現実です。

最初におカネ(貨幣)を発行しないで、支出しないで、どうしてその貨幣を回収できるのかということです。

最初に水を注入しなければシンクの中の水は溜まらないし、排水管からも水を流せないということです。

支出が先というのは事実です。


【統合政府の概念】

ここでも日銀当座預金(準備預金)と銀行の預金(要求払戻預金)の違いのプロセスは抜きにして、まずは究極的に簡素化した単純な図で説明するほうがいいと思います。初めて知ることですから。

ちなみに日銀当座預金と準備預金について、日本銀行による説明があるので紹介します。以下です。

Q 日本銀行当座預金と準備預金の関係について教えてください。

 


【政府の赤字は民間の黒字の事実】

大事なことは、主権国家は自国通貨で通貨を発行できるという事実で、これもまた誰も否定できないところです。

ここで準備預金つまりは日銀当座預金と、民間の銀行の債務となる私たちが銀行に預けている預金(要求払戻預金)とは別ものだということを説明するかどうかは、相手の理解度によりけりですけど、まず

主権国家が債務を発行するときに、政府は民間部門に純金融資産を生み出す

これだけを説明できたらいいと思います。

政府部門が支出をしてつまり債務をかかえて、民間部門にわたるとそれは複式簿記の関係から民間部門の資産となり新たに加えられるということです。

しかし、同じ民間の部門内である主体が借り入れを行っても、その負債は別の主体の資産なので、同じ部門内ではこの2つは相殺され純金融資産は増えません

同じ部門って家族内での貸し借りと同じで、96年までの大学生が新車買うときに親ローンするのと同じです。その家族以外つまりは部門外では同じ構成員間での出来事でしかないのです。

ゲーテルの不完全性定理と関係してきてここが大切なところで、財政破綻論を否定する抽象概念ではここが要諦となるところです。


【偽りのないデーターを見せる】

これらを単なる理論上での出来事でなく事実として認知させるには公式なデーターを見せるのがてっとり早いと思います。

日本銀行が公表している部門別部門別資金過不足のあくまでも一年間のフローの推移なのですが、それが以下の図です。

ここでも、

政府の赤字 = 民間の黒字

完全にならないのは、所与の事柄(条件)つまりは経常収支(純輸出)がゼロでないからであり、そこからで齟齬が生じるのです。

この図をスマホのdriveにアップしていなかったわけですが、口頭で若い子に説明したときにこれは明らかに事実なので、その20代の若い子は結構喜んでいるようでした。

もう日本は少子高齢化でダメとか成熟社会でダメとかのデマにより、多くの若者が日本の未来になんて希望をもてていないだろうから、まったくこれとは逆の情報が入っきてこっちのほうが事実であり正しいと理解できれば、普通は希望が芽生えるでしょう。


【財務省も否定している日本の財政破綻】

日米などの先進国で自国通貨建ての国債を発行できる国にデフォルトなどない。

財務省の見解どおりのことです。


【当たり前に企業が富を蓄積する】

フローの蓄積の結果、以下のグラフも同様です。大企業の内部留保の蓄積なんてフローの結果。麻雀で例えるところの民間非金融法人が毎回(毎年)勝ち続けてきた結果でしかないのです。

こうなったのも、消費税の導入にともなう法人税引き下げの結果のですが、それに及ぼす結果は税収の歪みからも以下のグラフから読み取れます。


【事実が物語っているもの】

歪んだ税の構成がこの国に悪影響を及ぶ結果を表したグラフが以下です。

株主配当金は法人税を払った後に分配されるわけで、いかに法人税引き下げが労働分配率の低下つまりは労働者の賃金の伸びどころか低下を招き、それが消費(C)に悪影響を及ぼし、そうなるとそんな状態で企業が投資(I)するわけなく、それを以下の図で説明したら” なるほど! ”と大抵納得するでしょう。

国民の所得が伸びないことも、税収が増えないことも比較的に簡単に理解してくれます。


【途上国化の真っ最中の日本】

こうして日本は20年以上のデフレに突入してきたわけですが、改革というスローガンにより敗戦濃厚の中大本営発表していた頃とまったく同じで、日本は途上国化している真っ最中なのです。

 


【自殺者・変死者増加の事実】

消費税導入に伴う法人税引き下げからみられる緊縮財政、つまりはグローバリズムのアイテムの一つの緊縮財政が同じ日本人の命を奪いました。この現象も以下のグラフから読み取れます。

ブログで駄洒落れとか中二病的なネタばかり披露してますが、多少は私も仕事のあいまに勉強しているのです。これでも。

(次回へつづく)


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