エドマンド・バークの亡霊


【安倍政権誕生させて自決しても仕方ない】

最近、佐藤健志さんが訳編したエドマンド・バークの『フランス革命の省察』を読み返しているのですが、かなり解釈が変わってきました。

安倍政権を誕生させ取り返しのつかないこと事態に陥っており、それに関して一部の保守思想の連中は、

「安倍政権を支持してこんなことになってしまった。子孫に申し訳ないから自決しようと考えたことがある。」

と殊勝な心がけというか。力抜けよと思います。

そもそも投票に行かない無関心層が、小泉フィーバーとか民主党政権交代フィーバーの時にだけ投票するから、こうなるのだと自認している次第です。

(『格差社会と国家の存亡』)より

 

格差が拡大するとコミュニティ参加の意識が希薄となり、投票率が落ちるのは先進国の特徴でしょう。この負のスパイラルを権力者は利用しているから、やりたい放題できるのです。

 

(『格差社会と国家の存亡』)より

滅びる民族は滅びるべくして滅びる。これは普通のことです。肩に力いれても仕方ありません。


【権力者は監視すればいいし、野党を育てればいいだけ】

人間生きてて失敗しないことなどなく、そんなことで自決していたら命がいくらあっても足りません。

それだったら学習して、大陸では本能的に身につけているパワーバランスの思考を身につけること、つまりは与党と対峙する思想の野党を育成することを考えたほうがいいと思います。

そのほうが、建設的です。

あの秀逸な佐藤健志さんも、プロローグで民主党政権誕生とフランス革命と同一視していますが、まず民主党の政権交代は暴力の末でなく正式な手続を踏まえており、自家撞着に思えます。

私からいえば監視対称である権力者に対して、過剰な期待を寄せることがそもそも間違いであり、羊が飼い主に対して過剰な期待をするようなもので、屠殺場につれていこうとして解体されるのかそれとも、毛を刈られる一方できちんと保護してくれるのかと、見極めることです。

ジンギスカンに自らなるように監視するのです。一応、数の上では勝ってるのですから。(この数の多さが災禍でもあるが)

「四本足はよい、二本足は悪い!」(民主党はよい、自民党は悪い!)と言ってるようではいけないのです。


【バークの謬見】

まぁ、野党を育てるといっても宗主国から横槍が入り、その野党に潜入している宗主国のトロイの木馬がいるので、すぐ潰されるけど一応そういうことです。

バークは

「格差や不平等をなくすことは、どんな社会にも不可能なのだ」

と言及してますが、だから国家が崩壊していくわけであり、逆に国家が形成されていく過程は中央集権化により、一度財源が集められ再分配するシステムが構築されることにより国民意識が形成され可能となるのです。

ビスマルクがドイツを統一させたのも、福祉を充実させ国民意識を高めたからであり、明治政府もそうなのです。それまでは日本という国家の概念すらありませんでした。「くに」は藩を意味していたのです。


【イギリスが革命が起こらなかったのは救済法のおかげ】

バークに関しては突っ込みどころ満載なのですが、イギリスがフランスと異なり革命が起こらなかったの大きな要因は、まず「救済法」の存在です。

スピーナムランド法がその典型であり、教区ごとに貧困者の救済がなされており、いわばビルトインスタビライザーの存在により、革命が阻止されていたという解釈もあります。

まぁ、カール・ポランニーがその論客の代表ですけど。

1960年代あたりから米国で、このスピーナムランド法が悪法扱いされ、丁度その頃からミルトンフリードマンがインフレで不況ということに漬け込み、現在のグローバリズムに結びつくわけです。

そうです、全てはつながっているのです。Walking this way.


【社会の変動モデルを知らなくて当然のバーク】

中世末期のバークの時代には当然、社会の変動モデルの存在など当然なく、革命後のフランスの混乱のために出現したのが、社会学の祖と言われたオーギュスト・コントであり、それは総合社会学と言われ、今の社会学とはまったく内容が異なります。

彼はもっと精度の高い社会科学の必要性を訴えていたのです。

ちなみに、コントは幼馴染を忘れられずその幼馴染をマリア様みたいに信仰し、「人類教」などなる新興宗教を独自であみだし、嫁は学者だから金もってるだろうという婚活女であり、のちに貧乏だとわかると家を出て行ったようです。(時代を切り開く学者ってみんな頭のネジがぶっとんでいるのです)

そこから発展した社会学の多くの社会の変動モデルげ変動の起動力となるのが、ほとんどが緊張(ストレス)であり格差や不平等がその一つであり、その社会の変化を促すことになるのです。

男女雇用均等法施行されてから、30年たっても働く女性の環境がまったく改善されていない結果が、グローバリズムと手を組むこととなったのも、社会の変動モデルでは必然的なのです。

第一線でフェミニストになるか、グローバリストになるか、リベラルになるか、で一番確実なのがグローバリストなのです。

女性の活用を批判していた老酔狂がいましたが、彼は

「主婦は毎日同じ家事をして大変だ」

と発言しており、家事をしている人物からすると閉口します。

毎日するから最適化が進み一定のリズムができ、洗濯機回しながら掃除してとか、一週間の献立を予め決めるとかできて楽になるのです。
勝間和代さんもそうしているそうです。
学者は本当に何にも知らないようです。家事ぐらい得意分野ごとに分担しろ。


【急進派の産みの親は保守】

グローバリストに力を注いだのが保守思想であることは間違いなく、これはイギリスとフランスの例をみてわかるのように、ビルトインスタピライザーの存在が必要なのです。つまりは不満を解消する政策です。

実は保守派という存在が急進派を誕生させ、急進派が可笑しなことをしだして初めて、急に反対しだす。

これが歴史上繰り替えされているだけです。

急進派が無茶しだした時に、保守は慣習や伝統とか祖先とかいかにも聖人ぶった発言をするわけですけど、働く女性や障害者に対する排斥行為も慣習(因習)であり、これを放置するのも保守なのです。

だから、私は一度も保守などと自分で思ったことがないのです。思いたくもないし急進派の産みの親が保守なのですから。


【恋の結晶作用に陥る秀逸な学者たち】

学者がなぜ世襲議員を見て過剰に期待していしまうのは、古典とかばかり読んで先にコマンド(命令文)がインプットされ、目の前にいる可笑しな連中を自分の都合のいいように美化してしまうからでしょう。

そもそも、自分の趣向に合う理論であると、スタンダールのいう恋の結晶作用つまりはトランス状態に陥っており、誰が見ても愚鈍な人物でも、惚れると美人やイケメンに見えるが如く、可笑しな状態になるのです。

だいたい、第一次安倍政権で消費税増税、道州制、法人税引下げ、ホワイトカラーエグセプション残業ゼロ法案、これらのことをしようとしていたから、現政権が売国行為をすることは普通に予測できるはずです。

政府が嘘をつくのは当たり前です。堤未果さんじゃないけど。


P・S

最近、支持率低下してマスコミが手の平返して、安倍政権を叩いていますね。そりゃあ、自民党議員は他にもいるし、誰も歴史上最悪の泥舟に乗りたくないでしょう。

有権者も恥には弱いから、そのうち戦前戦中に熱狂して戦争を煽っていた連中と同じく、終戦後民主主義とか平和とか論調を変えたように、なかったことにするでしょう。

3月11日に黙祷した人物で、今日、東北のことを考える人間は何パーセントいるでしょうかね。こういうことです。シャトーブリアンの寓話の『殺される中国人』の世界です。

 

新訳 フランス革命の省察―「保守主義の父」かく語りき
エドマンド バーク
PHP研究所
売り上げランキング: 14,639

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA