近代化は分化


【原始社会からアルカイック社会へ】

近代化の象徴といえば経済学的には合理化なのですが社会学的には分化であり、一人の人間が多面性を有することを意味します。

カール・ポランニーは共同体と社会とを使い分けておりますが、私は共同体と社会を同じカテゴリーにして認識しております。ポランニーはかつて責任は共同体のものであり、原始社会からアルカイック社会へと移行するにつれて、土地・家畜・奴隷の占有上の移動の取引、交換が行われるようになり、支払手段・蓄積手段を有する者が義務を負わす権力となり,それ身分となりました。

それでもその段階では再分配が行われていたが、中世・近代と格差が拡大し搾取するようになり、それが世襲化して身分となり、お決まりの社会の変動モデルのような、闘争モデルが構築されるわけです。

マルクスは所有権がその原因と突き詰めたのはいいのですが、因果で考えるとその原因を排除する、いわば男性的な発想のため失敗するわけです。

実は女性の社会の参加がなされている社会ほど平等であり、これはリチャード・ウィルキンソンが数字として明証化しています。

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【社会の構造維持と人間の本質】

中世のちの近代化に伴い、自然の一部であった土地が商品となり、生活の一部であった労働は商品となり、交換の手段であった貨幣が商品となりと、これはお決まりのポランニーの台詞ですが、社会学的には分化であり、よく私が例える父親としてとか、部長としてとか、釣り仲間としてとか、学生時代の友人としてとか、多面性を有することになるのです。

一般的に社会学のいう社会という定義は、

成員同士の相互関係が継続し慣習化され、地位や役割となり、それが構造化された集団

といえよう。
過去ログでつっこんでいるように、しかし、利害を有するのが人や集団であり、利害というものは欠乏による恐れからの概念であるが故に、社会の本来の役割分担という共同作業の構造が、簡単に崩壊するわけです。

これは一般的に知られているから公言しても問題ないのですが、警察の天下り団体がパチンコ屋がらみであるが故に、ギャンブルであっても違法でないのです。

社会の非人格的・機械的な構造と、恐れを抱く人間の本質と相性が非常に悪く、だから変化の漸次性など歴史上起こったことなどないことでしょう。ジンメルのいう古くなった構成体は崩壊することでしか耐えられないというのは理にかなっているし、実際そうなっています。


【言論活動は難しい】

で、その多面にわたる役割分担ですけど、以下です。

(『格差社会と国家の存亡』)


【現代人は多面性故に自分を見失う】

結構、現代人はいろんな顔をもっており、これば大変で多重人格の状態です。

こんなものもともと人間の個体は一つで、自己統一性・アイデンティティを保つのことなんて難しく、毎年3月11日に冥福を祈ったりしてるが、活動圏において国家の集団の国民意識の状態であり、しかし翌日には食料が安くなるという私的理由でグローバル化に賛成すると活動圏が親密圏の私人の状態になり、一々管理しきれないわけです。

なぜあんなに東北のことを考えて涙を流していた連中が、舌の根も乾かぬ前にTPPに食料が安くなるから賛成するのかは、この現代人の管理しきれない多面性のよるところが大きいと思われます。ましてや空気を規範としている日本人なら尚更でしょう。

 


【帰属意識の造語は1930年代の米国から】

ちなみに過去ログで言葉って大切と述べましたが、最近よく耳にする帰属意識も造語で戦後日本で翻訳された造語で、私がよく紹介する日本の産業社会学の泰斗の尾高邦雄先生の本に書いてありました。

それもそのはず帰属意識って、近代化と遂げて神と人との契約から、人と人との契約、つまりは作為の契機が行われて、たぶん世界恐慌後に主流派の経済学の信用が凋落した時に、それに対峙する考え方が問われて、経営学に詳しい人なら誰でもしっているホーソン工場の実験などから生まれる人間関係論とか、そこからこの概念が生まれたのでしょう。


P・S

これから社会は次世代のモデルへの移行しているのと思われ、この多面性を有する現代人像の変化を求められています。

この多面性を統一するということですが、例えば父親としても、子供の人格を尊重しなければならなくなり、子供が悪事を働いたときに、殴ったり怒ったり怒鳴りつけたりするのでなく、互いに正座して人間として人格を尊重しなければならなくなるでしょう。

職場でも同様でありパワハラとかが起こるのも、雇用者被雇用者は権力者と義務者との関係、支配者と隷従者の関係でしかなく、この解消も余儀なくされ、人格として尊重しなければなりません。

そうなると、馬鹿な発言をする上司や社長、政治家に対して、流れてくる豚を見るような目をしてしまう人の身の安全も確保されるでしょう。たぶん。

 

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