権力構造維持と3年B組の腐ったミカン


【動物農場】

最近、(英)ジョージ・オーウェルの寓話の『動物農場』を読んでいたのですが、一見その内容はソ連を批判するものであり、当時の英国はナチスドイツと交戦中で、ソ連への批判に関して出版会社が忖度して、なかなか苦労したそうです。

だけどこの本が伝えたかったことは、ソ連という共済主義という批判でなくて、権力者批判であり、物語の最後のほうでこれを現実に置き換えて言えば、共産主義の上層部も資本主義の上層部も権力者で、共に「下層の連中を家畜化するのに苦労するな」みたいな会話をするわけで、権力者とそれらを支持したり反対したりする層の批判だと私は解釈しました。(まぁ、その後また喧嘩して、その光景を家畜が見てどっちがどっちか(共産主義か資本主義か)、分別つかなくなるわけです。)

中国も米国も1%の富の独占では共通してますし、ソ連もノーメンクラツーラー(赤い貴族)と揶揄され、イデオロギーでは表面上対立してるように見せていますが、中味の本質は同じわけです。

マルクスもフリードマンも中味は実は、大して変わらないわけで、それもともに権力を武器にしているからです。


【3年B組の加藤まさるの葛藤】

権力を説明する前に、まず権利の概念の整理が必要で説明してみます。

権利といえばそれに義務がセットにされるわけですが、ルソーパラドックに称されるように、「自分の命や財を集団が守ってくれる代わりに、命や財の危険にさらす」という矛盾が一般的に生じると言われています。端的に言えば、

自分の命を守るために死ぬというようなものです。

こんなの矛盾は当たり前であり、嘘つきパラドックスと同じメカニズムです。

例えるとこうです。

転校生の3年B組の加藤まさるが「3年B組は嘘つきだ」と発言するわけですが、そうなると3年B組の一員である加藤まさるも嘘つきであるわけで、加藤の発言も嘘となり、「3年B組は正直者だ」という内容になり、そうなると嘘をついた加藤も正直者であり無限ループするわけです。

数学のゲーテルの不完全定理もそうですが、同じ主体に権利と義務と逆方向性質を負わせるからであり、もともと権利や義務など存在しないものを作りだし、それを同じ主体に負わせるからこの矛盾の葛藤が起こるわけです。

実は、主体である加藤まさるが3年B組でなく、つまりは転校してこなかったら、この矛盾が生じないわけです。

腐ったミカン扱いもされないだろうし、「俺じゃねー」と言う必要もなかったろうだし、松浦(沖田浩之)と中島みゆきの「世情」をBGMに、警察の連行されることもなかったのです。たぶん。(ちなみにTVドラマ『anone』の小林聡美さんも、このシリーズのメンバーです)


【権利は義務を負わせる他者の存在が不可欠】

このことに関して、

「なら、日本人でなくなれば、国を守ることも国から守られることもないんだな!日本から出て行け!」もしくは「このニヒリズムめ!」

と熱狂的愛国者から責められるかもしれませんが、過去ログで紹介しましたが権利には義務、つまりはそれを負わさられる別の肉の存在が隠れているわけです。

つまり、人間がつくりだした権利と義務の概念は、権利を有する者と義務を負わせれれる者と分離した存在がいて、初めて機能するわけです。

で、権力者という存在は権利を多く有している者であり、他者に対して多くの義務を負わせられる者を指すわけです。

もうこんなの100年以上前から知られているわけであり、権力者はこのからくりを知っておりこれを流布させないためには、『動物農場』の羊みたいな層の育成が必要なのです。だから、

「四本足(動物)はよい、二本足(人間)は悪い!」(米国は友達、中韓は敵!のごとく二択と似てます。熱狂的愛国者は左翼の連中を連想するでしょうが)

みたいに単純なスローガンを連呼して煽動するのです。
後はTVドラマに権力者の都合のいい刷り込んだりとかして。(勿論、政府の捏造データーも必至。『動物農場』でも同じような場面がありました)

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【格差が拡大すると投票率が低下する】

だけど、

「日本は民主主義で自分たちが投票で選んだから現政権の政策は民意だ!」

とか強弁する人もいるでしょうが、シュンペーターは選挙で政治家を選ぶことなどできず、候補者を支持するか否かしかなく、決して選んでいないとつっこみを入れていました。

だいたい得票数を議席数とが大きく乖離してるし、長くなるからショート・カットしますが、格差が拡大すると投票率が落ちる傾向にあります。(リチャード・ウィルキンソン『格差社会の衝撃』)

(『格差社会と国家の存亡』より)

経済1流で政治は2流と言われた80年代までは常に投票率は70%前後を維持しており、やはり97年を境に格差が拡大し、それに比例してコミュニティ参加の意識の低下して、つまりは無関心層が拡大して投票率が低下していったわけです。米国と同じ現象ですね。

こうなると、投票率が上昇する時は小泉ブームや民主党の政権交代のような特定の熱狂下だけとなり、これが一番危険であり、監視対称である権力者に対して、過度の期待を抱き、政策内容もロクにチェックせず、感情任せに叩いたりスキャンダルなシモネタばかりにとりつかれ、政策でなく人間性とか人気投票で政治家を判断するわけです。

これも全て、権力者が使う昔からの常套手段であり、他にも公務員と一般庶民と対立構図も必然的に必要であり、中位と下位の対立構図がなければ権力の保持は不可能なのです。


【権力者は中位を厚遇する】

で、権力者って何だよてところですが、ぶっちゃけ世襲もそうですし権利保持者であり、わかりやすく言えば金持ちです。

カール・ポランニーは貨幣の手段が支払手段になり、それが支払いできる者のみ賠償の責任を負えるわけで、現在、金持ちの熱狂的愛国者がヘイトなどでも自由な発言ができるが、名誉毀損の支払い能力のない一般庶民にはできなくなるというよな、預言めいた発言をしており、現実のものとなりましたね。

リツィートも名誉毀損になるかもしれないとか、権力者の常套手段だなと納得できます。

本来、一般庶民と地方公務員が結託すればいいわけですが、公務員の身の安全が権力者に握られているから絶対不可能です。
そもそも団塊やバブル世代と違い、その後の世代の公務員は安定を求めて公務員になる者ばかりだろうし、そんな安全の欲求が最も強い連中が、リスクを犯してまで一般庶民と結託なんてありえないし、それを絶対に権力者がやらせるわけないのです。

マーガレット・サッチャーは改革するに当たって、真っ先に公務員・警察を厚遇して、労働組合の暴徒鎮圧を試みましたし、こんなの当たりまえのことです。(『動物農場』の支配者の豚をとりまく犬が地方公務員です)

三橋さんがグローバリストって共産主義と同じく対立構図を生み出す言ってたけど、正確にはジョージ・オーウェルが言及してように、イデオロギーでなく権力者の本質として認識したほうが妥当性が高いでしょう。
まぁ、権力者の多くがマキャベリの「君主論」とかそれらをバイブルにして、その手法に従って行動するわけです。(ナポレオンもヒトラーも愛読書にしていたようです)

こうなると、既に公務員に対して一般庶民多くの会話の中には「あいつら」というのが多くなっているわけで、トクヴィルのいう「彼ら」つまりは外敵扱いしての意識が高まり、そこには同胞意識が薄く、きつい表現ですが同じ人間と思っていないわけです。(『動物農場』でさかんに権力者が「同志!」を連呼しており、「日本人!」連呼して権力者と家畜と同じ身分だと錯認させているシーンもあります)


【権力者の治療法方を考察】

じゃどいうすればいい。

まぁ、ここは発想を変えてみて、ここは権力者の治療方法を考えるのもありでしょう。
彼らの多くは強い罪悪感を感じており、どこかそこに負い目を感じているが、常にゼロサムゲームの欠乏に支配されているから、そんなことしなくても没落しないという安心感を抱かすほうが有効だと思います。

攻撃することで偽りの安心感を抱くという、この負のスパイラルから脱却させるのが有効だと思います。

土に触れて大地の波動を感じる農業治療もいいでしょうし、こっそりそういう富裕層のトレンディな趣味の中に、治療方法を刷り込ませればいいと思います。
TVドラマの内容に医師会を悪者にしたり経済特区で 幼子の命が救われたと刷り込むのとある意味同じ方法です。

治療効果があり、法人税引き上げしたり、富や内部留保を福祉や下請け会社に再分配する提案をし実行した際は、皆で拍手して誉めてあげるとより効果的でしょう。(攻撃する人間は媚びられることに慣れていても、感謝させることに慣れていないから非常に有効です)


P・S

なんかジョージ・オーウェルって、特定の層を小バカにしてるように思います。
「四本足はよい、二本足は悪い!」ってw

そのうち、日本も寓話のとおりに
「四本足はよい、二本足はもっとよい!」って多くの人はまた言い出すでしょうし、既に言ってますね。

だって東北の震災が起こって「東北支援」とか言いながら、その数ヵ月後に舌の根も乾かないうちに「TPP参加交渉」とか池下彰氏が好意的に言えば、東北の震災に涙流した人がTPP参加の支持をしだしたし、また他方で野党時代の麻生さんのTPPべた褒め動画に対して、『動物農場』の内容とそっくりなことも発言してる人も当時いました。

「麻生さんは、ISD条項を知らなかったんだ!悪くない!」(『動物農園』にでてくる支配者の豚のナポレオンの言うことは常に正しいという家畜と同じです)

また一方で、安倍政権になって手のひら返して、TPP・欧州EPAの参加に意欲的になったりして、

「民主党のTPPは悪いが、自民党のTPPは意味がある。中国包囲網のためだ!」

とか言い出す始末。これの意見に対して、経産省の割り出した経済効果やそれに対して喪失する国力など引用して反論すると、

「米国は友達でよい、中韓は敵で悪い!」とバッシング(メェーメェー)を受ける始末。

いや、TVドラマ『anone』で広瀬すずさん演じるハリカちゃんのごとく、誰も悪くないですよ。

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