見捨てられた感からの某氏の逆襲にそなえて



【格差と敵意】

リチャード・ウィルキンソンの「格差社会の衝撃ー不健康な格差社会を健康にする法」に注目すべき内容のことが書かれています。
カワチ・イチローとブルース・ケネディが米国総合社会調査を用いて、所得格差が大きいところほど、「もしチャンスがあれば、他人はあなたを理由するだろう」と考える傾向にあるというものです。

Social Capital, Income Inequality, and Mortality

格差が拡大すると他人に敵意を抱くようになりやすくなり、社会の資本である紐帯が断絶されるということです。

これを意図的にしている(いた)国の代表が英国と米国であり、英国ではマーガレット・サッチャーが労働組合を敵に見立てて、敵意により中間団体を破壊したことは有名です。
米国でも現在進行中でありそのことについてはオバマ政権で労務長官を務めた、ロバート・ライシュが著書「格差と民主主義」でそのことについて言及しています。

米国の保守はグローバリズムに基づく逆進的であり、1920年代の世界恐慌前までの状態まで回帰しようと(もっと遡る赤貧時代もいる)いうものです。
彼らの鉄板の手段が国内で対立構図をつくることです。

公    VS 民
国民   VS 移民
高齢者  VS 若者
中間   VS 貧困
宗教保守 VS 世俗主義

これは中国でも韓国でも行われており、日本でもさんざんやってきました。
国鉄、郵便局、労働組合、農協、医師会、公務員、高齢者、生活保護受給者、母子家庭、在日コリアン、韓国、中国・・etc

だけど、大企業、富裕層、アメリカなどへの敵意の対象がなくそれらに手を加えると、植草一秀氏や鈴木宗男、佐藤優、田中角栄・・・etcと失脚する傾向にあります。なぜか。


【市民にも同僚にも叩かれる公務員のタイプ】

私が公務員を叩いていると勘違いしている人もいるようですけど、それは少し違い官民の格差が拡大すると同じ同胞という社会的な紐帯が断絶するからであり、実際それを利用して本元への矛先をむけないように、故意に米国みたいにしてる可能性があるからです。

公務員の中でも市民とまったく同じ待遇にすべきと思っている人も少数ながらいると思いますが、そうでない人がやはり圧倒的でありもしそう発言するなら自治労から、「日本が貧困化しても安泰なのは俺たちのおかげだ。それなのに裏切るのか!」と言われたら言い返せないし、それこそ空気に支配されている日本の社会では危険分子扱いのけものにされます。

これに加え例えば役所の窓口でも「給料泥棒!俺たちがこんなに苦しい思いして、停年65歳までで給料もアップかよ!ニュースで見たぞ!この税金泥増!」となれば、職場の仲間からはぶられ、市民から叩かれ、孤立化してもう何も言わなくなります。
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ジンメルは著書で中位と下位が結束すれば上位を打ち倒されるが、中位が地位の低下を嫌い、そうなりにくいと発言したのも、こういうこともあるからでしょう。

【闘争タイプでないと根気が続かない】

前回のブログ「1998年問題とは」の1997年「財政構造改革法」の危険性の警告も、次の改憲案に財政健全化が明記されることも、実は社会だけでなく国家までも崩壊しかねないからなのです。

米国のように対立構図はマルクスのように、資本家階級と労働者階級のような単純構図でなく実際はもっと複雑多岐です。

東北の震災で同情して募金をした人Aがいるとすれば、その同人物Aが数ヵ月後TPP参加に賛成したり、それについてわからないと言い出すわけです。
忙しいから時間がないからメディア以外の情報を収集できないのもわかりますが、東北や地方が悲痛な叫びを上げていることは事実です。
進撃の庶民を牽引しているみぬささんのブログを久々に読み知りましたが、三橋さんの前に廣宮孝信氏のほうが先に従来の国家破産を覆ることに言及していたらしいですね。                    廣宮孝信の反「国家破産」論ブログ
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だけど、この人が政治闘争タイプでなく中味を吟味して作品をつくり上げるアーティストタイプだと、上にあげた市民にも同僚にも叩かれる公務員が沈黙するようになっている可能性があります。馬鹿馬鹿しいと。
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財政構造改革法を廃案にするどころか、憲法に明記されたら終りだとわかっていても、それを発言しボロクソに叩かれて辟易として、第二宗教性を帯びてきたり(諦めて滅びる覚悟を決めてなどの精神上で逃避)、また後ろ向きに発言するようになるわけです。
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まぁ、一言で言えば疲れるから抵抗しなくなるわけです。

【東北と東京(都市部)との対立】

格差が拡大して地方と都市部、特に東北と東京(中央政府)の対立構図が非常に危険です。(沖縄もそうですが)

東北は今でも戊辰戦争の名残りが残っていて、戦前でも東北出身者のエリートが出世するには陸軍しか道がなく、石原莞爾らクーデターを起こす連中は陸軍に多く、どこか中央政府、既存の国家の破壊衝動が潜在的に残っていたと分析する論客もいます。

実際、今でも山口の人と福島の人は仲が悪く、今回の東北の震災と原発事故と、その後のTPP参加に国民の多くが反対せず農協も解体されるとなると、もうこの強者(中央政府)に対しての抵抗できないルサンチマンは都市部の人間には理解できないけど、上昇している可能性が非常に高いわけです。

地方なんて医療や福祉が真っ先に崩壊して、餓死者すら続出してくる可能性が非常に高いわけです。

日本のジニ係数が0.3を下回っていると発表しても、OECDデーターと異なりそもそも日本の調査が「全国消費実態調査結果」に対して、外国の調査がOECDとごちゃまぜにしたり、そういう発表もあり内容をないがしろにしている場合が多いわけです。
地方や東北で起きている苦痛が、TVニュースで再分配後のジニ係数は低いとか言われて知識人が発言すると、もうそれを鵜呑みし東北は豊かで着実と復興しており農協の連中らをただのわがままだとか、思うようになってしまいかねません。

【個と理と情と】
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正直不可解なのが農協解体やTPPに反対した(している)人が、財政構造改革法や憲法に財政健全化が明記されたり、消費税増税に社会保障費を当てるとか、そこに賛成の意を唱えていることです。可笑しくないかと。それならリフレ派みたいに反論するぐらいの理論を打ち立ててほしいわけです。
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これもタイプによりものでしょうが、個が強く情より理を優先する人は、どんなに人格が崩壊してもその人の言っている内容は評価し、人格と理論の分離を無意識にしてします。
これに個が強く理より情を優先する人は、人格を無視できずそこに温情や激情が理よりも優先し、そういう人は情が厚く人によっては面度見がよく周囲に人が集まります。激情になると敵対している相手には、礼を欠しとことん叩く傾向にあります。身内には情で結束し、外敵には容赦ないわけです。だいたいそうです。
その周囲に集った、「私」が強く理よりも情を優先する人は信者となり、個と情の強い人はマルコやパウロみたいな信徒となります。(自説をあまりとかない)
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で、個と理が情より強いタイプはルターやルソーみたいなタイプであり、エッジが効き過ぎて会社の会議などで上司や役員が馬鹿は発言していて、
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「だけど、これ○○になると会社危機的状況になるし、可能性高いですよ。」
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と組織にとってベストになると思い発言するわけです。よかれと思って。
しかし日本では議論することは和を乱し悪とされ、「空気」に従い決定しまい

 無碍に扱われるが、会社が予想通り危機的状況になり「言ったでしょ。しかし、残された道は・・・」と発言すると、面子をつぶさえたとなり怨念を買うわけです。

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小室尚樹氏と山本七平氏に戦前から戦後まで、まったく日本が変わっていないことを語っています。山本氏は頭山満氏が支持を煽いだことのついても語っています。
恐らく、この両者もまた個と情より理が強いタイプでしょう。(ハイマン・ミンスキーと同様に小室氏も学会から無碍に扱われていました。)

 【見捨てられた人の逆襲と情の使い手】
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ここで安倍総理のことを人格批判する人(私もしていたと思います)もいますが、安倍総理は情がかなり強いと分析できます。
親しい人には面倒見がよく仕事を斡旋したり、問題があることなのですが仮に官邸の力で山本詩織さんの逮捕状と取り消したとすると(あくまでも仮にです)、その行為は非難を一部では浴びますが、しかし、山口氏にとっては恩人であり「一生ついていきます」となります。
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それで安倍さんを慕っている他の関係者も、「この人は自分を助けてくれる。面倒見がいい。」と思うとますます擁護するわけです。なぜなら、個と情より理の強い人間だと切り捨てられる可能性があり、冷たい印象もあるし実際西洋人みたいに契約関係にあるから、契約外のことに関しては触れてこないわけです。
情がないわけではないが薄いのでしょう。(しかしこの理のタイプは一方では小保方さんやベッキー、斉藤由貴、上原多賀子さんらの関心も関係ない人でも弁明することもあります。むき出しの好奇心や激情に従う前に理知的なものが抑止となり介入するから。「聖書」の内容引用したりして。)
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人は助けてくれないかもしれない人よりも、「この人なら助けてくれる。」「あの人に助けられた。」と恩でなく正確には温情を感じるわけです。屈強な精神の持ち主でない変人でない限り。ルボンが「感情が理性に敗北したことはない」ということは真実でしょう。理のつよい人間でも情が恐らく上位に位置しているのだと思います。
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まぁ、今回の三橋ショックによりもともと中韓嫌いの気がある彼が、周囲に裏切られたと感じた場合、そこで安倍総理が手をさし伸ばすのなら、まぁ普通はこの情に報いてしまうでしょうね。
私でもそうでした。今回の件(改憲内容に均衡財政などやばいのがあるかもしれないから急ぐなという指摘。)で相当ボロクソ叩かれました。リベラルも誰も助けてくれませんでした。弁護士に相談する必要性もあると考えていたところです。
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儲けるためとはいえ財政構造改革法を周知させることや、農協解体の阻止やインフラ整備により地方を活性化させることを全面的に押し出した急先鋒の三橋さんが、今度は地方や農協側からも距離を置かれるどころか場合によっては叩かれ、それこそ裏切られた感を感じる危険性があります。それこそ戊辰戦争から蓄積された東北の怨念と同じくらいに危険です。堤未果さんが医師会から見捨てられれば同じことになりかねません。
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見捨てられたと失望している時に安倍総理やグローバリストの政治家が情により手をさしのばすのなら、数字を操る魔術師のような三橋さんの鋭いエッジ・矛先が、今度は地方や農協や立場の弱い人に向く可能性があります。竹中平蔵氏に向けていた矛先がです。
日本は空気と情を制した者が支配者になるわけです。今回の内容はニコ生主で有名なカツトシさんからヒントを得ました。
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