国家のパワーバランスとカタルーニャの悲劇


櫻井よし子女史がかつて、「中国は日本にソ連の牽制のために軍事を強化しろ」と発言していたと思います。
しかし、これは普通の国策なのです。どこの国もライバル国同士を戦わせるのなんて常識的なことです。
一番してはいけないことは独立気概なくして一国との同盟に依存することです。


【パワーバランスの駆け引きに負けたカタルーニャ】

同盟なんて自国の国益のみの関係であり、最近話題になっているスペインのカタルーニャ(バルセルナ)もなぜ現在、中央政府カスティーリョ(マドリード)の属州となってるかというのも、このパワーバランス駆け引きに失敗したからなのです。

歴史を振り返ると、スペインの王のカルロス2世病弱な上種無しであっために、遺言にその後継ぎをなんとルイ14世の孫のフリップを指名したわけです。

これに危機を感じたのは、オーストリア、イギリス、オランダらの国です。
なぜなら、ただでさえ巨大なフランスがスペインを併合すると一強の状態になることを恐れたわけです。

上の地図からみてわかるように、フランス一強状態は周辺諸国に対しては極めて脅威的であり、当然それを周辺諸国は回避しようします。
アニメ「少女戦記」でもあるように一強に対する周辺諸国の警戒は震撼に値するものです。

 

オーストリア、イギリス、オランダ三国同盟を結び、ここで神聖ローマ帝国レオポルド1世の子のカール大帝スペインの継承にかつぐわけです。
レオポルド1世の元にはスペインのカルロス2世の妹が嫁いでいるため、彼の子のカール大公をイギリスの提案によりバルセルナ(カタルーニャ)を首都機能として、これを正当なスペインとしようとしました。
フランス+スペインの一強を阻止するためです。

バルセルナ(カタルーニャ)にとったは念願となるマドリード中央政府からのくびきを外すはずすための挑戦でもあったわけです。


【同盟なんて利害一致での共闘でしかない】

ここでまたしても不幸な出来事が生じました。

神聖ローマ帝国のカール大公の兄が死に、その後継ぎをカール大公が継ぐこととなり、それはオーストリア、イギリス、オランダにも都合が悪いわけです。
今度はカタルーニャ(バルセロナ)を首都とするスペイン神聖ローマ併合されるとそれはそれで困るからです。
神聖ローマ+スペインこれも一強となり
均衡が保てなくなり周辺諸国には脅威なわけです。
ここで、三国同盟は撤退するわけです。

こうなると残されたのがバルセロナ(カタルーニャ)です。
カール大公が去った後もバルセロナは単独で戦わなければならなくなり、中央政府のスペイン軍に敗北することになったのでした。
この時にバルセロナ(カタルーニャ)の公用語はカスターリョ語(スペイン語)となり、官吏の職もとざされ、そこから商業の都市として生きていかなけばならないわけです。
関が原の戦いで破れた豊臣家、つまりは大阪が商業の都市となったこととも共通点があるわけです。


【自ら滅びようとする日本】

スペインが凋落の道を辿ったことは、地政学的な影響も当然ありますが、独自の血統の王族が存在しなかったことのあります。
愚鈍王カルロス2世が種無しで病弱でありこのパワーバランスを見誤ったことが非常に大きいわけですが、カタルーニャ(バルセロナ)にとっては運が悪いとしか言いようがありません。

関が原の戦い戊辰戦争も運が非常に大きいわけです。

ただ、愚策故の末路は必然的な悲劇を生みます。

その典型が日米同盟の依存体質です。
二国間での同盟関係ほど脆弱なものはなく、これで英国も日本も凋落していったわけです。

カタルーニャは日本と異なり(バルセロナ)自国の血筋や、言語文化などを貫けなかったためにあのような状態に陥ったわけで不幸です。
それに加えてパワーバランスも駆け引きにも何度も敗北してます。

しかし、日本は・・・・。

英語化教育、アメリカの二軍のための安保法制改正、経済特区、米国企業のための規制改革委員会、食料をてばなす種子法の改正に農協解体、郵政株売却、道州制、官と民の対立構図、格差社会・・・。

一方、アメリカから自立しようとする知識人は皆つぶされるのです。
まぁ、あれですから。


クリストファー・レインが米国は太平洋から撤退して日本に核武装させて、このまま東アジアで均衡状態を保たせて国力を削がせろと言っているのはこうした理由(分割して支配するようなパワーバランスを利用する戦略)からです。
米国追従論者はそこをあまり考慮いれていないのではないでしょうか。

 

 

 

 

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